protonブログ

日々の記録やデバッグメモ

電気系大学生が3日だけ勉強して電験一種を受けた話

初めに

就活とかに困った時用に学生の内に資格取れるなら取ったほうが良さそうだし、どうせならなんか強そうな資格ほしいなと思って調べていたら、国家資格のうち実務経験が必要なくて難易度の高い電験一種(第一種電気主任技術者)が有り、電気系の知識のまとめにもなっていいかなと思い受けてみました。

この記事を書いたのは、試験翌日なのでまだ結果は分かってません。分かり次第更新します。

→公式解答が出たので更新しました。(9/2)

電験一種とは

第一種電気主任技術者試験のことで、これに合格すると全ての事業用電気工作物の保安監督者になれます。電気設備の設置者は、保守保安の監督者を必ず選任しなければならないので、世が電気によって回っている限りは需要がある資格だと思います。

電気工作物ってなんぞやとか、自宅に発電機あるけど監督者なんていないけどとか、そういう疑問は、電気法規とかの法規分野の勉強をすればわかります。この資格がどれくらい凄いのかとか、何処に需要があるのかはちゃんと勉強してから初めて分かるわけです。(自分はまだ分かってません。)

試験内容

電験一種は、マークシート式の一次試験と筆記式の二次試験に分かれています。合格点はどちらもだいたい6割ぐらいです。

一次試験

理論・電力・機械・法規の四科目に分かれており、全てに合格する必要があります。どれか合格すると、科目合格者としてその後二年はその科目は受験しなくても良くなります。(ただし一次試験全てを免除しようとすると科目合格者ではなく一次試験免除者になり、一次試験合格のその翌年だけしか免除ができないです。)

四科目とも答える大問はA問題4つとB問題2つの計6問です。A問題は15個の選択肢から5個解答を選択する方式で10点満点、B問題は15個以上の選択肢から5~9個解答を選択する方式で20点満点で、合計80点満点で基本的に合格点は6割の48点ですが、難しいと下がったりします。

理論

試験時間は90分で、回路計算, 電磁界, 電子回路, 計測等から出ます。一次試験の他科目と異なり、簡単な二次方程式, 微分方程式ぐらいの計算は必要になります。

電力

試験時間は90分で、発電所や変電所の設計・運転, 送電線路・配電線路の設計・運用, 電気材料等から出ます。

機械

試験時間は90分で、電気機器, パワーエレクトロニクス, 照明, 電熱, 電気化学, 自動制御, 情報伝達・処理等から出ます。

法規

試験時間は他と異なり65分で、電気法規, 電気施設管理等から出ます。基本的に暗記のみになります。

二次試験

電力・管理、機械・制御のニ科目に分かれており、その合計点が6割以上かつ各科目平均点以上を取れると合格になります。全て記述式で、だいたい半分ぐらいが計算問題になります。

電力・管理

試験時間は120分で、発電所や変電所の設計・運転, 送電・配電線路の設計・運用, 電気施設管理等から出ます。大問1問あたり30点で、大問6問中4問を選択するので、120点満点になります。

機械・制御

試験時間は60分で、電気機器, パワーエレクトロニクス, 自動制御, メカトロニクス等から出ます。大問1問あたり30点で、大問4問中2問を選択するので、60点満点になります。

試験日

一次試験は8月末~9月初めの土曜日、二次試験は11月20日前後の日曜日になります。申込受付日は、5月末から6月中旬当たりです。

試験勉強

過去問解答購入

初めに、どんな問題が出るかとか過去問とその解答はあるかなどを調べました。問題の範囲は公式やら各種ブログ等に、過去問とその解答は公式に過去10年分載っていましたが、解説はあまりいいのが無さそうだったため電気書院から出ている電験一種模範解答集 2019年度版(過去問5年分)を買いました。

現状把握

取り敢えず、過去問の26年度の問題を解いてみた所、理論は74/80で選択問題全て解いても時間が余るぐらいだったので、完全に勉強しないことにしました。他ブログによると一番難しい所らしいですが、電気系出身であれば6割はほぼ確実に取れると思われます。

電力は30/80で、この時点で理論以外はそもそも知識が足りなすぎて話しにならないと思ったため真面目に参考書を買って勉強することにしました。 資格によっては、全く知らない分野でも過去問を暗記するだけで解けたりするものもありますが、電験一種は範囲が非常に広く似た問題でも過去問を覚えるだけでは解けないので、基本的に過去問を覚えても無駄だと思います。

参考書購入

購入する参考書を調べた所、電験一種は受ける人が少ないためか参考書が非常に少なく、電験一種 一次試験の完全研究等専用のものは有りましたが、既にアマゾンでクソ高い中古を買うぐらいしか入手手段が無くなっていたため、電験二種の参考書で代用することにしました。 購入したのは、電験二種 徹底マスター 電力, 電験二種徹底マスター 機械(改訂2版), 完全マスター 電験二種受験テキスト 法規 (LICENCE BOOKS)の3つです。 法規だけ完全マスターなのは、古いブログを見て一番初めに購入したため、その改訂版の徹底マスターが出ているのを知らなかったからです。(最終的に電力と機械はほとんど読んだのですが、電験二種の参考書でも十分一種に使えると感じました。全ての範囲は到底抑えられないですが、正答の用語や考えの基本は載っているので合格は可能です。機械の構造やその性質の理由まで常に気にするような人であれば、恐らく三種の参考書でも行けると思います。)

3日間の勉強

今年の試験日は8/31(土)なのですが、自分はその直前まで院試の試験があったので勉強を開始したのは8/28(水)でした。(資格の試験より院試の方が何十倍も大事なので)

初めに、試験の順番と同じように電力をやっていましたが、誘導機等の機械の知識が必要な所が多く、途中で切り上げて機械から勉強をしました。 試験前日までに読んだのは、機械の全てと電力の原子力, 新エネルギー, 発電, 配電, 電気材料以外で、睡眠時間を3時間ほどにして当日の朝に電力の配電, 電気材料, 原子力, 新エネルギーを読みました。 法規は会場に向かう間と、法規までの試験の早期退出を含めた休憩時間に勉強しました、当日の休憩時間は意外とあるので一科目の一ニ分野を勉強するぐらいはできると思います。

傾向は無いのか

2日前の時点で、確実に全てやる時間はないと感じたので傾向が無いのかとか調べたりもしました。 電力は三種の傾向らしきものの情報しか見つかりませんでしたが、機械は迷える電気技術者にて電験1種1次試験 機械の傾向分析にまとめてくており、法規は電気の神髄にて電験一種一次試験 法規科目の攻略法にまとめてくれていました。 やはりそこまで大きな傾向は見つかりませんでしたが、こういう分析は非常にありがたかったです。

試験結果

各種用語等を調べて自己採点した所、

  • 理論 70/80→62/80
  • 電力 49/80→50/80
  • 機械 47/80→45/80
  • 法規 38/80→39/80 (左が自己採点結果、理論はB問題の配点を計算し間違えていた。)

でした。法規は確実に落ちているので、二次試験に行けるのは来年になりそうです。

電力や機械は、電気に対する抵抗のなさやその背景知識を一部知っている等もあり短時間で対策ができましたが、流石に法規は条例の用語を細かく正確に暗記しなければならないため、もう少し勉強時間が必要でした。一週間ぐらい勉強すれば全合格可能性があるラインに、二週間ぐらい有ればだいたい全合格できるぐらいになると思います。(ここでの勉強は一日中全てを勉強に使って、だいたい1日10時間以上有効勉強時間がとれた時の話です。)

感想

電験一種の勉強は、実際に現場で使われている技術についてその性質と理由を学ぶ必要があるため面白かったです。 ただし、法規はどっちの選択肢でも別に意味的には問題ない気がするものまで覚えなきゃいけなかったりして、実務に関係ない所まで聞かれている気がしてなりませんでした。やはり単純暗記は難しいです、電力や機械はその性質に至るまでの数式があったりや説明ができるので関連して覚えるのは比較的楽でした。

来年には、電験一種をちゃんと取れるように1-2週間ぐらいはまともに勉強しようと思います。