protonブログ

日々の記録やデバッグメモ

M570の修理をしてみた

初めに

みんなはどのようなマウスを使っているだろうか、優先, ワイヤレス, ゲーム用に様々なキー設定ができるマウス, もはや絶滅したであろうボール式マウス等様々なものがあるだろう。デスクトップPCを持っておらず、そもそも使ったことがないという人ももしかしたらいるのかもしれない。

(SM-)M570

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SW-M570
私はトラックボールマウスのM570を愛用していて、すでに3年以上使っている。トラックボールマウスを使ったことがないという人は、ぜひ使ってみて欲しい。普通のマウスと違ってマウス本体を動かす必要がないので、机に物が多かったり何か当たると困るものがあっても問題なく、指のわずかな動きだけで操作ができるので非常に疲れにくい素晴らしいマウスである。 www.amazon.co.jp

見た目が全く一緒の機種があり非常に紛らわしいが、2010年発売のM570, 2013年発売のM570t, 2018年発売のSW-M570があるらしい。
どれも価格は以前は3~4kほどで買えたはずなのだが、価格.comで確認すると2019年1月になぜか突如2000円も跳ね上がり5~6kになってしまっていた...

動機

素晴らしいマウスであることには変わりがないのだが、2年以上使っているとさすがにガタが来るようで、チャタリング等が発生したため値上がりする前に二台目を買い、昔のはいつか直そうと思って放置していた。

そして、4月に新しく研究室に配属され、研究室でもあの素晴らしいトラックボールマウスの使い心地を忘れられず、研究室の居心地をよくするためにも使いたくなってしまった。しかし、価格は謎の値上がりをしたままなのでさすがに新しく買うのもためらわれる、そういうわけで修理することになった。

問題1

少し調べればわかるのだが、ロジクールのM570はチャタリングしやすいマウスらしく大量の対処ブログが散見される。(今回の記事を書こうと思った理由は、チャタリングではなく、問題2の右スクロールが入力される状態になったためであるが、一応チャタリングの時の対処も書くことにする。)
自分のマウスも、例にもれず左クリックが時々ダブルクリックになる、左をずっと押しているのにもかかわらず途中で途切れるといった症状が出た。

対処1

分解方法は以下のブログが詳しい。 pasokatu.com

このブログでも紹介されているように、分解しほこりなどを取り除きスイッチを無水エタノールで洗浄を行ってみた。
が、数日もしないうちにチャタリングは再発してしまった。

対処2

しょうがないのでボタンの付け替えを行おうとして、Amazonから同型のボタンを購入した。
Amazon CAPTCHA
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B00H5K6TTY/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o02_s00?ie=UTF8&psc=1
ボタンが届き、いざ付け替えをしようとしたところ、なぜかチャタリングが再現できなくなってしまったため、ボタンが無駄になってしまった。(今後使うことになるでしょう...)
何もしてないのに壊れたならぬ、何もしてないのに治ったということで1週間ほど使えていた。

問題2

そのまま使えていればよかったのだが、マウスを使っていたところ不思議な挙動が見られた。調べてみると、どうやら右スクロール?がずっと出力されているらしい。M570の標準的な出力は、右左クリック, ホイール(上下スクロール), ホイールクリック, 進む, 戻るなはずなのだが、謎の右スクロールが出力されてしまっていた。
標準である機能ではないため、センサやボタンの類の故障ではなく明らかにPCに送るために所定の信号にしているマイコン回りの問題であると考えられた。

対処

分解して基盤を見てみると、どうやら処理しているのはAtmel社のATmega 168PA 32pinのようだった。(画像の真ん中の小さい黒い四角のやつ、赤いスイッチと丸い電解コンデンサの間)

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M570基板

これはマイコンといって、書き込まれたプログラムによって基本的な部分以外ピンの機能が変わるため、専用のicと違って故障原因を推測しにくいものであった。(最も専用icだったら、それはそれでその会社しか使っていない等で調べてもどこのピンがどういう機能か等調べても出てこないことはあるが。)
そこで、どこかショートしていたり逆にクラック等でつながっていないところがないかよく見てみたところ、31,32ピン(上側の一番左と一つ隣)の間にほこりがたまっておりショートしてそうな感じがあった。

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ATmega168paピン機能

プラスチックの針で擦ってみたり、はんだごてで再びはんだを溶かすなどごちゃごちゃやってみたところ、なんと右スクロールの症状がでなくなりました。よかったよかった。
(はんだで溶かすときに、30,29,1ピンなども溶かし直していたためもしかしたらそっちがクラックしていた説もある。)

追記(2019/4/29)

あまりにも雑な対処だったためすぐに、右スクロールが再発しました()
なのでもう少し真面目に、フラックスである程度ゴミを除去して、32ピンに少しだけハンダを盛ってから、フラックスクリーナーできちんとフラックスを除去してみました。
(フラックスクリーナー初めて使ったんですけど、すごい綺麗になりますね。)

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M570基板2
ショートが原因ならばこれでしばらくは持つでしょう...

感想

個人的にAteml社のマイコンにはお世話になっていたので、こんなマウスにも使われていて結構驚いた。しかし、専用icではないため配線を見て書き込んでいるプログラムを推測しでもしない限り、このic回りを壊すとまず修理はできないだろう。そんな状態になったらさすがに潔く買い替えた方が労力的に安い。(チップ自体はかなり流通してるものだが...)

途中でも書いたが、今回この記事を書いたのは有名なチャタリング以外の故障が発生してしまい、かなり簡単に解決してしまったので解決記事ということで書いてみた。
以前のviveのブログもある程度キーワードを絞れば出てくるようになったが、果たしてM570ユーザーで右スクロール等のic回りのショートが問題でここに到達する人はいるのだろうか...
凄い一時しのぎの修理感あるので、どうせまた壊れるでしょう...
壊れて修理したら記事編集するか、新しく記事書くと思います。
→ 壊れたので追記しました。(2019/04/29)